人と関わるのが苦手……
コミュニケーションに自信がない……
人前で話すのが苦手……
このように悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
最近、私の仕事で質問されることが多いのが、この「コミュニケーション力」です。
30代ごろになると、リーダーシップが求められたり、人をまとめる仕事が増えます。その際、コミュニケーション能力が必要になってきます。
そのため、コミュニケーション能力は30代になって更に伸ばしていきたい、高めたいスキルや転職の際に有利な能力として上位に挙げられる一つになっています。
厚生労働省の「若年者の就職能力に関する実態調査」の結果概要によると、企業が採用時に重視する能力第一位はコミュニケーション能力(85.7%)だそうです。
セミナーや学び直しでも多くの研修が実施されており、広告も目にしますよね。
コミュニケーション力は誰もが高めたいスキルの一つです。
しかし、コミュニケーションは状況や流れ、その時々で柔軟に対応しなければならない非常に難しいものです。
そこで必要になってくるのが”観察力”です。
今回はコミュニケーション力を上げるために必要な【観察力】について、その理由をご紹介したいと思います。
記事の後半では明日から誰にでも簡単にできる観察力トレーニングをご紹介しますので是非最後までご覧ください。
そして……
お時間のない方は目次から気になる項目だけでもご覧いただければと幸いです。
はじめに…コミュニケーション力はなぜ必要なのか
はじめに……
そんなにコミュニケーションって重要?
という疑問にお答えしていきます。
「コミュニケーション力はなぜ必要なのか?」その理由をシンプルにお伝えすると……
仕事でもプライベートでも自分一人ではなく、そこには必ずあなた以外の人が存在しているから
です。
人間はそもそも一人では生きられない動物であり、昔から集団の中で生活してきました。
そのため集団の中で認められたり、集団に必要とされることは、自分の居場所や役割を確立するために重要なことです。
ではどうやって、集団に認められたり必要とされるのか、その手段がコミュニケーションです。
これは現代社会でも人間の本質として大きな変化はありません。
だからこそコミュニケーション力は誰にでも必要な能力であり、コミュニケーション力が高ければ集団に理解されやすく認められやすいという優位な状況が生まれるのです。
コミュニケーションスキルが高い人ほど仕事での成果や結果が出しやすく、プライベートも充実する傾向にあるのです。
観察力が上がることでコミュニケーション力があがる4つの理由
まず観察力があがることでコミュニケーション力があがる理由について説明します。
- 情報収集力が上がる
- 相手の思いを予測しながら会話できる
- 状況や流れ”空気を読む”ことが出来るようになる
- 変化に気づけるようになる
以上の4つが観察力が上がることでコミュにケーション力が上がる理由です。順番に解説しますね。
①情報収集力が上がる
観察力を上げることで、情報収集力が上がります。
それは、人は観察により大半の情報を収集しているからです。
観察力があがることで、ものごとの表面だけでなく細かいところにまで目がいくようになります。
細かいところにまで目がいけば、それだけでも多くの情報を汲みとることが出来るようになるのです。
たくさんの情報が集まるようになれば、多角的に物事を捉えられるようになります。
想像してみてください……
- コミュニケーションが苦手
- コミュニケーションがあまり上手くない人
このような人達に共通する特徴はなんでしょうか?
実は、コミュニケーションが苦手な人に共通していることとして、
相手の立場を考えずに一方的に話す
というのがあります。
この一方的に話す人というのは、悪気があるわけではなく単純に相手の状況が汲みとれていないことがほとんどです。
なぜ汲みとれないか……それは”観察力”が足りていないからです。
例えば、話しかけようとした場合に相手を見ますよね。その時、
- 「あれ、顔色悪いな。」
- 「今日は、笑顔だな。」
- 「時計を見た。」
- 「目が充血している。」
- 「ソワソワしている。」
などコミュニケーション能力の高い人ほど、観察して多くの情報を収集しているのです。
そして、コミュニケーションの基本はキャッチボールです。
相手が構えていない状況で剛速球を投げてしまえば相手はキャッチできませんし、場合によっては顔面にボールが当たって二度とキャッチボールをしてくれないなんてことにもなりかねません。
確かに!
コミュニケーションも同じです。観察力を上げて相手の情報を汲みとり、相手の状況に即したコミュニケーションが良好なコミュニケーションに繋がりますよ。
②相手の思いを予測しながら会話できる
観察力を上げることで、相手の思いを予測しながら会話できるようになります。
ここでいう観察は視覚的観察と捉えてもらえればと思います。
コミュニケーションをする時は、その人の表情を見て話しますよね。
しかし、コミュニケーションの不得意な人、相手にあまり良くない印象を持たれるコミュニケーションをする人は相手の表情を見ていない、もしくは相手の表情をよく観察できていない場合が多いです。
”目は口ほどに物を言う”ということわざがありますが、
これは、目は言葉以上にその人の感情をあらわすという意味です。
目というのは表情とも捉えることができます。
観察力のない人は、この目や表情を見て雰囲気や相手の思いを察知してコミュニケーションをすることが出来なくなります。
逆に観察力があれば、相手の目や表情を察してコミュニケーションの取り方を変えたり、タイミングをずらしたりなど柔軟に対応することが出来ますよ。
相手の思いを知るためには観察力が必要なのです。
繰り返しになりますが、会話はキャッチボールです。
相手の状況に応じて、相手ではなく自分が状況に応じて対応を変えることができる人がコミュニケーション力がある人なんですよ。
相手の表情をよく観察して相手の思いを予測しながらコミュニケーションをとってみましょう。
③状況や流れ”空気を読む”ことが出来るようになる
観察力がある人は、”空気を読む”ことができます。
空気を読むというのは、その場の雰囲気を察し、要求されていることを把握して行動するということです。
観察力がある人は、自分と相手だけの状況だけでなく、その場にいる人達の相互関係、個々の感情などを観察し、言動に注意することができるからです。
また、普段から観察することを繰り返しているため、人間関係や感情に対するアンテナが敏感で、瞬時に雰囲気や流れを察知して自分の言動を選択しています。
例えば、あなたの周りにこんな人はいませんか?
- 会議で的確に質問をすることができる人
- グループの雰囲気に合わせて行動することができる人
- 相手の気持ちや意図を察することができる人
- 適切なタイミングでジョークを言うことができる人
こんな人は、コミュニケーション能力が高いと言えるでしょう。
少し意識して、周りを観察してみてください。意識して取り組むことで、あなたのコミュニケーションの方法も変わってきますよ。
④変化に気づけるようになる
観察力の高い人は変化に敏感です。
コミュニケーションにおいて、変化を察知する力は非常に重要であり、人間関係を大きく左右します。
同僚や部下がいつもと違った暗い表情をしているときに、そのことに気が付かず普段と同じようにコミュニケーションを取るとどうなるでしょうか?
「この人全然わかってくれないな…」
なんてことになりかねません。
逆に元気がない暗い表情をしているときに……
「何かあった?」
と一声かけるだけで「この人は自分をしっかり見てくれている」と信頼されることにも繋がります。
観察力を磨き、人の少しの変化にでも気づけるようになることで人との信頼を構築できるようになります。
また、その変化に気付こうとする姿勢が人を思いやる姿勢と捉えられ、信頼関係がより強くなっていくのです。
周りの人に変化はないか、常に意識してみてみましょう。繰り返すことで信頼関係の構築に繋がり、コミュニケーションがより円滑になっていきますよ。
コミュニケーション力を高めるためには観察力を鍛え情報を得る
観察力を上げることでコミュニケーション力が上がる理由についてお伝えしてきました。
観察力が上がることで、情報収集する力の向上に繋がり、情報があることで色んな角度から相手や状況を捉えてコミュニケーションできるようになるという内容でした。
とはいえ、
観察力がコミュニケーション力アップのために必要なのはわかったけど、自分には観察力がもともとないんだよな…
”鈍い”ってよく言われる…
という方もいらっしゃいますよね。
そんな方に、誰でも簡単に観察力を磨くことができるトレーニングをご紹介します。
このトレーニングは非常にシンプルですぐに誰でも取り組むことが出来ます。
誰でも簡単に観察力を磨くことができるトレーニングの方法
相手の目を見て自分から積極的に挨拶する
「相手の目を見て自分から挨拶をしてみる」という非常にシンプルな方法を紹介します。
これを毎日意識するだけで、観察力はもちろんコミュニケーション力は大幅に上がります。
それだけで大丈夫なの?
と思われるかもしれません。
しかし、相手の目を見て自分から積極的に挨拶をしようとすると、必然的に相手の表情が目に入るようになります。これを毎日繰り返すことで、自然と小さな変化に気づけるようになるのです。
人間には理屈で理解する左脳の働きと、直感的に感覚として理解する右脳の働きがあります。
毎日目を見て挨拶を繰り返すことで、感覚的に理解する右脳が働き、直感的に相手の雰囲気や表情を理解するようになります。
そして何度も繰り返すうちに、あなたの中で「相手の調子が良い時と悪い時の基準」が見えてくるようになります。
例えば……
- 目の動きや眉の動き:相手の興味や関心を示す場合があります。
- 口の動きや唇の形:感情や意見の表出に関わる場合があります。
- 顔の筋肉の動き:喜怒哀楽などの感情を反映することがあります。
- 顔の色や輪郭の変化:健康状態や感情の変化を示唆する場合があります。
この基準を外れた時に「〇〇さんは今日調子よさそうだけどなんでだろう」とか「〇〇さんは元気なかったけどなぜそう感じたんだろう」と自分自身で感じたことを振り返ることで、あなたの観察のポイントが明確になってきてこの経験が観察力として養われていきます。
挨拶は、おはよう、こんにちは、お疲れ様、だけではありません。
ありがとうございます、お世話になります、失礼しました、ご迷惑をおかけしました、などなどたくさんの場面にありますよね。
この様々な場面で積極的に自分から挨拶をしに行って、観察力のトレーニングを行ってみてください。
意識して繰り返すほど、たくさんの経験が蓄積されていき、人を見る観察力が磨かれていきます。
ナイチンゲールもこんな言葉を残しています。
経験をもたらすのは観察だけなのである。 観察をしない女性が、50年、あるいは60年、病人のそばで過ごしたとしても、 決して賢い人間にはならないであろう。
ナイチンゲール『看護覚え書』より
そしてこのトレーニングを繰り返しているうちに自然とあなたはコミュニケーションが上達していきます。
それは挨拶を繰り返していると相手が挨拶のあとにあなたにお願い事をしたり、普段の日常会話に繋がったり、仕事の相談があったりと知らず知らずのうちにたくさんの会話=コミュニケーションを取ってくるようになるからです。
これが、観察力はもちろんコミュニケーション力は大幅に上がるといった理由になります。
意外かもしれませんが、非常に簡単で非常にシンプルかつ効果が出やすいものなので、気になった方は一度試してみてもらえたらと思います。
相手の目を見て自分から積極的に挨拶するだけで、あなたのこれからは大きく変わっていきますよ。
まとめ
30代は20代の頃と比較して仕事やプライベートでも様々な人とのコミュニケーションが必要になってきます。
そもそも、コミュニケーションは集団行動や集団での生活が必要な人間には必要な不可欠なものであり、その質が高いか否かはあなたの仕事やプライベート、人生に大きく関わってきます。
コミュニケーション力を上げるには観察力を高めることが重要です。
観察力が上がると、情報収集力の向上、相手の思いを予測しながらの会話、状況や空気を読む力、変化に気づく力がもてるようになり、その結果コミュニケーション力が上がる。
誰にでも簡単にできる観察力を上げるトレーニングとして、非常にシンプルな「相手の目を見て自分から積極的に挨拶をする」こと、これを繰り返すことで観察力はもちろん、コミュニケーション力が自然と向上するという内容をご紹介しました。
人と人を繋ぐコミュニケーション、このコミュニケーション力を上げることであなたの人生を大きく変えることができますよ。
もし私が価値のある発見をしたとしたら、それは才能のおかげではなく、辛抱強く観察したからに過ぎない。
アイザック・ニュートン(哲学者)
この記事を読んでくださった一人でも多くの方の人生がより良くなるように応援しています!