30代で転職ってどうなのかな……
今の仕事がきつい……
このように悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
今回は……
「30代の男性で転職について悩んでいる方」や、「転職を考えているが特別なスキルがなくて不安」という方に向けて、現職で採用面接も行っている私が、転職で抑えるべきポイントについて解説します。
結論からお伝えすると、30代男性でスキルなしでも転職は可能です。
しかし、スキルがある人とそうでない人とではスタートラインの違いがあるため、ポイントを押さえて転職活動を行うことが大切です。
私は医療福祉業界で採用に関わる仕事をしており、現在も採用面接などを行なっています。
実務に行なっているからこそ、お伝えできる情報をご紹介します。
また業界が違ったとしても、転職の準備や退職時の注意すべき内容、採用面接に向けた準備などは共通していることが多いので、転職を考えている方は是非最後までご覧ください。
転職者の状況
現在、私たちを取り巻く労働環境は過去に例がないほど急速に変化が生じています。
例えば……
- 技術の進歩とデジタル化により、新しい職種や仕事の形態が生まれた。
- グローバル化が進み、異なる国や地域で働く機会も増えた。
- 人々の価値観やキャリアの意識が変化し、自己成長や働き方の選択肢を重視する人が増えた。
などです。
このような状況下で、転職を考えている方は非常に多くなっています。
転職者数の推移
転職者数の推移としては、2008年のリーマン・ショックの発生後、2010年にかけて大きく減少しました。
2011年以降は緩やかに増加傾向で推移し、2019年に351万人と過去最多。
その後、コロナの影響もあり転職者数は低下しますが、徐々に増加傾向となっています。
『転職者数の推移』は以下の通りです。
転職者って、そんなに増えてはいないんだね。
このグラフを見て、このように思った方も多いのではないでしょうか。
確かに、グラフの推移ではおよそ300万人前後といった感じで、大きく増加していません。
次に就業者の中で、どのくらいの割合の人が転職しているのかを見ていきましょう。
転職比率の推移
転職者比率とは、「就業者に占める転職者の割合」と定義されます。
コロナの影響もあり一度落ち込みますが徐々に上昇傾向を示しています。
2022年の正社員の転職率は7.6%で、2016年以降で最も高い水準となりました。
就業者の中で転職している割合は増加傾向なことがわかります。
次に示すのは、「転職したいと思っている人」の数です。
転職希望者数の推移
「転職等希望者」とは、現在の仕事を辞めてほかの仕事に変わりたいと希望している者及び、現在の仕事のほかに別の仕事もしたいと希望している者、と定義されています。
2018年からの『転職希望者数』は以下の通りです。
徐々に増加傾向にあり、2023年には1000万人を超えました。
転職者数、転職希望者数や転職比率を見てみると、転職したいとは思っているけど転職には至っていないケースも多いように考えられます。
2022年の転職希望者数を年代別に見てみると、以下の通りです。
25歳から54歳の間が多いことがわかります。
特に30代や40代は転職希望者が多いようです。
転職者の動向
以上のことから、以下3つのことが言えます。
- 転職者数に大きな変化はないが、働いている人の中で転職した人の割合は徐々に増加傾向。
- 「実は転職したい……」と思っている人は増えている(特に30代、40代)。
- 転職したいと思っているが行動に移せない人が多い。
私は、普段から採用の仕事やキャリアについての相談などを実務として行っており、様々な方の相談を受けてきました。
その中で、特に30代は、仕事だけでなくプライベートでも様々な変化に直面するため、転職に悩む方が多いと思います。
特に3番の『転職したいと思っているが行動に移せない人が多い。』ことには納得できます。
その中でも、多い悩みが……
スキルがないけど、転職できるの?
です。
しかし、私はスキルがなくても転職に成功した方々を見てきました。
現代は全体的に働き手が少なく、多くの企業が人手不足に悩んでいます。
だからこそ、社会人経験のある30代は、企業にとっては即戦力となるため、欲しい人材でもあるのです。
転職にあたり、いくつかのポイントがありますので解説していきます。
転職はポイントを押さえなければ失敗する!?
30代でスキルなしでも転職は可能ですが、ポイントを押さえなければ失敗します。
採用に至らないケースも多いのです。
30代は社会人経験をある程度積んでいるということが、長所になります。
しかし、社会人経験があるにも関わらず……
その程度かあ……
と思わせてしまうと、採用には至りません。
このような結果にならない為にも、転職前にポイントを押さえて準備することが大切です。
30代男性の転職前に押さえておくべきポイント
今回解説する転職のポイントは以下の〇つです。
自己分析
転職の際には、「自分がどのような人間か」を伝えることが重要になってきます。
そのために自己分析が必要です。
自己分析ができていると、以下のようなメリットがあります。
- 自信と準備の行き届いた印象を与える。
- 企業に対する興味や熱意を表現できる。
- 組織に貢献する意欲や能力を持っている印象を与える。
逆に、自己分析を行わずに面接に臨むと、自分の魅力や強みをアピールすることができず、企業に対して興味や熱意を伝えることも難しくなります。
結果として、雇用には繋がりません。
例えば……
面接官: 「自己紹介をお願いします。」
応募者: 「はい、私はAさんと申します。趣味は読書です。」
面接官: 「それでは、なぜ当社に興味を持ちましたか?」
応募者: 「えーと、特に理由はないです。ただ、就職活動をしていて、この会社に応募しました。」
面接官: 「なぜこの業界に興味を持ったのですか?」
応募者: 「正直なところ、特に興味がないですが、就職活動で様々な業界を探していた中で、この業界も選択肢の一つであることに気づきました。」
面接官: 「自己分析をした上で、自身の強みやキャリア目標はありますか?」
応募者: 「自己分析はあまりしていないので、特に強みや目標はありません。でも、成長したいと思っています。」
このような面接では、自己分析が不十分であることが明らかです。
次に自己分析ができている場合の例をみてみましょう。
面接官: 「自己紹介をお願いします。」
応募者: 「はい、私はBと申します。私は福祉系の専門学校で学び、実習などを通じて医療福祉の現場での経験を積んできました。私の強みは、人とのコミュニケーション能力です。患者さんや利用者さんとの対話を通じて、彼らのニーズや問題を理解し、最適なケアプランを提案することができます。具体的には、以前の実習先では、アンケート調査を行い、利用者さんの要望や意見を集めて、それを基に提案書を作成しました。その結果、利用者さんの満足度が向上しました。また、チームでの作業にも慣れており、協力しながら目標を達成することが得意です。特に、前職でのチームプロジェクトでは、メンバーの意見を尊重しながら、効果的なケアプランを立案しました。私のキャリア目標は、福祉の分野でより多くの人々に支援を提供し、彼らの生活の質を向上させることです。」
面接官: 「なぜ当社に興味を持ちましたか?」
応募者: 「当社は福祉分野で高い評価を受けている企業であり、地域の人々に対して継続的なサポートを提供していることに魅力を感じました。具体的には、当社のホームページで取り組んでいる地域イベントや支援プログラムを見て、地域の人々への貢献度が高いと感じました。また、当社のビジョンや価値観に共感し、私の経験とスキルを活かして貢献できると考えました。私は地域社会に貢献することに熱意を持っており、当社がその実現に向けて取り組んでいることに共感しました。具体的には、私の前職での経験を活かし、当社の取り組みに貢献したいと思っています。」
面接官: 「自己分析をした上で、自身の強みやキャリア目標はありますか?」
応募者: 「自己分析を通じて、私の強みはコミュニケーション能力やチームワークです。これらのスキルを活かして、利用者さんや関係者との信頼関係を築き、より良いケアサービスを提供したいと考えています。具体的には、利用者さんとの対話を通じて、彼らの心理的なニーズを理解し、適切なケアを提供することが目標です。また、自己成長やキャリアパスに関しては、将来的には福祉施設のリーダーシップポジションに就くことを目指しています。私の経験とスキルを活かし、より多くの人々に支援を提供し、福祉の分野での貢献をしていきたいと考えています。具体的には、継続的な学習とスキルの向上に取り組みつつ、組織内でのリーダーシップの役割を果たすことを目指しています。」
このような面接では、自己分析が十分に行われており、応募者の福祉分野への理解や意欲が伝わることが明らかです。
自分自身の強みが何か弱みは何かを理解することは、転職先での自分の活躍をイメージすることができるため、自分自身にも役に立ちます。
自己分析に関して、過去の記事で自分の長所やキャリアについて考える記事を公開していますので是非興味のある方はご覧ください。
企業や業界の研究
転職先の企業や業界についてしっかりと調べることが大切です。
企業の文化や価値観について、考えを持っているかどうかは、適合性を判断する材料となるからです。
例えば、企業のウェブサイトや社内報、従業員の声を探るためのSNSなどを活用して、企業の文化や価値観を調査することができます。
まずはインターネットで検索してみましょう。
また、業界のトレンドや競合他社の情報も収集し、自身のスキルや経験がどのように活かせるかを考えることも大切です。
具体的に解説していきます。
企業の取り組みと自身の経験やスキルを結びつける
企業のウェブサイトやニュース記事、SNSなどで調査した情報を基に、企業が取り組んでいる具体的なプロジェクトやイベントを知り、自身の経験やスキルと結びつけることができます。
例えば……
「当社のホームページで取り組んでいる地域イベントや支援プログラムを見て、地域の人々への貢献度が高いと感じました。私は学生時代、地域のボランティア活動を通して、様々な人と関わることがとても好きでした。私の経験とスキルを活かし、当社の取り組みに貢献したいと思っています。」
といった具体的なアピールができます。
質問や意見を企業のビジョンや価値観に基づいて行う
採用面接の準備の際、多い悩みの一つに、
最後に、何か質問等はありませんか?
と聞かれたときに、「なんて答えてよいかわからない」といったことがあります。
しかし、企業や業界の研究をしておくと、企業のビジョンや価値観について具体的な質問や意見を述べることができます。
例えば……
「私は企業のウェブサイトでお読みした、貴社のビジョンに共感しました。特に〇〇について興味がありますが、この分野での取り組みや将来の展望について教えていただけますか?」
といった具体的な質問をすることで、自身の研究結果をアピールすることができます。
このように、企業研究を行うことで、自身の経験やスキルと企業のビジョンや価値観を結びつけ、具体的なアピールや質問を行うことができます。
企業や業界の研究は自分にとっても大事
自分にとっても、企業の文化や価値観を知ることは役に立ちます。
働く環境が理想に近いかを確認することに繋がり、働く前と後のギャップが少なくなるからです。
転職したはいいが、思ったような場所ではなかった……
という結果になると、せっかく転職したにもかかわらず、早期退職になりかねません。
これらを予防するためにも、前もって企業の文化や価値観については研究しておきましょう。
情報収集の注意点
転職の際の情報収集は、自分自身のスキルや経験を最大限に活かし、理想的な働き場所を見つけるために重要です。
しかし、掲示板や口コミなどの、脚色された情報には注意が必要です。
中には、リアリティを伝えるというよりも個人の思いが強く発信されている内容があるからです。
書き込みしてやるっーー!
日頃から興味のある業界や世の中のことを把握しておくことは非常に自分自身の糧になります。
過去の記事で、解説していますので興味があればぜひご覧ください。
履歴書はしっかりと書く
記載欄は、なるべく充実させることが大切です。
自身の経歴やスキルを詳細に伝え、採用担当者に自己アピールする機会を与えることができます。
面接官は多くの場合、事前に履歴書を見てどのような人物なのか予測を立てます。
どんな…人かなあ……
30代にも関わらず、伝える能力が著しく低かったり、文字数が極端に少ないと、それだけでマイナスイメージを持たれかねません。
社会人経験があり、まだ30代だからこそこれからを期待できる、成長の可能性が感じられる人材ということをアピールしましょう。
履歴書の記載欄を充実させるための6つのポイントを解説します。
①詳細な業務経験を記載する
各職務で担当した具体的な業務内容や成果を詳細に記載しましょう。
これにより、自身のスキルや経験をアピールすることができます。
例えば……
「私は前職で営業職として、新規顧客の開拓や既存顧客のフォローアップを担当しました。新規顧客開拓では、自らリサーチを行いターゲット企業を特定し、効果的な営業戦略を立案しました。また、既存顧客のフォローアップでは、ニーズの把握や問題解決に取り組み、長期的な顧客関係を築くことに成功しました。」
といった具体的な業務経験を記述しましょう。
②語学力や資格を記載する
もし持っている語学力や資格がある場合は、それを履歴書に記載しましょう。
例えば、TOEICのスコアや英検のランク、ビジネス英語の能力など、具体的な情報を記載することで、自身の能力をアピールすることができます。
応募している仕事に全く関係なくてもOK。
③実績や成果を強調する
過去の職務経験での実績や成果を強調しましょう。
例えば、達成したセールス目標やプロジェクトでのリーダーシップ、コスト削減や効率改善の実績など、具体的な数値や事例を挙げることで、自身の実力を示すことができます。
これが私の実績だっーー!
実績や成果は、職務に対しての誠実さも伝わるので、遠慮はいりません。
④趣味を記載する
趣味や特技を記載することで、自己紹介を充実させることができます。
趣味は、人間性も伝わりますし、そこから会話が広がる可能性もあります。
しかし、趣味のことばかり熱く語っていては……
仕事やる気あるのかね……
と、思われる可能性もあります。
そこで、趣味が仕事にどのように関連しているかを考え、アピールすることが有効です。
例えば……
「私の趣味は写真撮影であり、コミュニケーション力やクリエイティブな視点を活かして、商品の魅力を引き出す写真を撮影することが得意です。」
といった具体的な趣味を記載することで、自己アピールにつなげることができます。
でも、趣味がないんだよなあ。
このような方も多いかもしれません。
趣味は、人生を豊かにしてくれます。
もし「何か趣味がほしいなあ」と考えている方は、趣味について解説した記事がありますので興味ありましたら是非ご覧ください。
⑤休職や転職の記載
履歴書の記入で悩むことのひとつに、休職や転職の記載があります。
休職や転職の理由は個人的な事情や経済状況など様々な要素が絡んでいるため、説明が難しい場合があります。
さらに休職や転職がマイナスのイメージを与えてしまうのではないかと心配になります。
しかし、事実を隠して入職し、後で発覚して問題になるケースもあります。
聞いていないぞっーー!
そのため休職や転職の理由は、できるだけ隠さず簡潔に説明することが望ましいです。
事前にわかることで採用者側も対応を検討することができます。
記入する際には、事実を正確に伝えることや、ポジティブな要素を強調することが大切です。
例えば……
「前職での休職期間は、人間関係のトラブルによるストレスが原因でした。私はその状況を克服するために、自己成長に取り組むことを決意しました。休職期間中には、コーチングやカウンセリングを受け、自身のコミュニケーションスキルやストレス管理の方法を向上させることに努めました。この経験を通じて、私はより良い人間関係を築くためのスキルと洞察を得ました。復職後は、前職での問題を解決するために積極的に努力し、チームの協力と円滑なコミュニケーションを重視しています。」
このように、休職が人間関係のトラブルによるものであることを率直に伝え、その経験から得た成長や改善点に焦点を当てることで、採用担当者に対して前向きな姿勢と学びの意欲を示すことができます。
⑥レイアウトやフォントに注意する
履歴書のレイアウトやフォントにも注意しましょう。
シンプルで読みやすいデザインを選び、適切なフォントサイズや行間を設定することが大切です。
履歴書に適したフォントは、読みやすさとプロフェッショナルな印象を与えることができます。
誠実さが伝わる書類を目指しましょう。
以下は一般的に使用されるフォントの例です。
- メイリオ
- MS ゴシック
- MS 明朝
- Arial
- Times New Roman
- Calibri
これらのフォントは、明瞭な文字形状と均一な文字間隔を持つため、履歴書の読みやすさを向上させます。
また、フォントサイズは10〜12ポイントの範囲で設定することが一般的です。
また、文中の箇条書きや見出しの使い方にも統一感を持たせるようにしましょう。
面接の準備と自己PRの練習
面接では、自分の強みを的確に伝えることが重要です。
あなたの良さや、採用するメリットをわかってもらうためにも最大限の努力と準備をしていきましょう。
とは言え、人生を左右する採用の面接は誰もが緊張するものです。
緊張して…うまくしゃべれない……
そういった緊張に負けないためにも、自己PRや志望動機を具体的かつ、説得力を持って表現するための事前準備と練習が欠かせません。
最低でも、以下の質問に対する自分自身の回答は用意しておく必要があるでしょう。
面接については、別の記事で詳しく解説していますので興味のある方は是非こちらも参考にしてください。
転職を後悔しないために
転職……失敗だったかも……
転職に成功すれば、より良い人生を送ることに繋がります。
逆に転職を後悔することになれば、今以上に生活が苦しくなってしまいます。
転職を後悔しないために、以下のことを事前にしておく必要があります。
- 現在の仕事を振り返る
- お金の確認と備え
- スキルや資格のアップデート
- 業界や市場の最新情報を知る
- 仕事とプライベートのバランスを考える
順番に解説していきます。
現在の仕事を振り返る
今の仕事の良いところや、好きなところを改めて考えることが大切です。
次の質問に答えてみましょう。
「明日、今の仕事を辞めるとして、まだやりたかった仕事はありますか?」
仕事は、複数の業務から成り立っています。
たとえば、ケーキ屋さんで働いていた場合……
既存の商品を作るのも仕事ですが、お客様の接客、レジ打ち、新商品の開発、店内の掃除、イベントへの出店等、様々な業務から構成されています。
嫌で仕方がなかった仕事もあるでしょうが、好きだった仕事もあるはずです。
たとえば……
決められた商品を淡々と作るのは嫌だったけど、新商品の開発は好きだったなあ。
などです。
これらを理解しておくことは、転職する際の仕事選びや転職後のモチベーションに繋がります。
お金の確認と備え
転職すると収入が変わる可能性があるので、今ある蓄えと生活費を見直しておくことが大切です。
今の会社での残業や諸手当等が初めての月はないことも想定しておきましょう。
給料が上がる場合はあまり問題はないかもしれませんが、下がる場合には生活に大きく影響します。
仕事はいいんだけど、お金……足りないじゃん……
こんなことになれば、せっかくの新しいスタートが思わぬところで苦しくなってしまいます。
貯金や生活費の準備をしっかりしておくようにしましょう。
最低でも現在の生活費の3ヶ月分は蓄えておくと、給料の変動にも耐えやすくなります。
スキルや資格のアップデート
新しい仕事で求められるスキルが変わることもあるため、必要なスキルについては予め学んでおくことをおすすめします。
この準備があるかないかで、転職先でのスタートダッシュが変わります。
安心して、新しい仕事をスタートできます!
逆にこの準備ができていないと……
そんなこともできていないのかと……
良くない印象を持たれかねません。
実務の視点から考えても、チームに馴染むことを考えても、必要なスキルや資格を整えておくと良いでしょう。
業界や市場の最新情報を知る
転職するなら、その業界や市場が今後どうなるかを知っておくことが大切です。
将来も安定して働けるかどうかの判断材料になるからです。
業界や市場の調査を行うためには、以下の手順を参考にすることが効果的です。
インターネットを活用する
インターネットは、業界や市場に関する情報を調査するための貴重なツールです。
業界のトレンドや市場の成長率、競合他社の動向など、さまざまな情報がオンラインで入手できます。業界関連のニュースサイトや専門のウェブサイト、統計データを提供する公的機関のウェブサイトなどを活用しましょう。
<参照>
産業団体や業界イベントに参加する
業界の産業団体や関連するイベントに参加することで、業界の最新情報を入手することができます。
業界の専門家や関係者との交流を通じて、トレンドやニーズ、課題などを把握することができます。
また、セミナーやワークショップに参加することで、業界の専門知識を深めることもできます。
これらの手法を組み合わせて業界や市場の調査を行うことで、より正確な情報を得ることができます。調査結果をもとに、自身の転職やキャリア戦略に活かすことができるでしょう。
この意識がなければ、転職したがいいが衰退する業界だったため数年後には転職し直さなければならないなんてことにもなり得ます。
このような結果を生まないためにも、業界や市場の最新情報を得ることは非常に大切です。
仕事とプライベートのバランスを考える
新しい仕事での働き方や仕事の文化を確認して、自分のライフスタイルに合っているかどうかを具体的に考えておくことが大切です。
仕事内容は自分の長所を生かしたり、思考にあったものだったとしても、働き方や仕事の文化が違い、プライベートとのバランスが崩れてしまうといったパターンも多いからです。
たとえば……
転職し、専門的なスキルを活かすことができ、やりがいを感じていたAさん。
やってやるぞー!!
しかし、長時間の勤務や競争の激しい環境により、プライベートの時間や健康管理が疎かになってしまいました。
仕事に没頭しているうちに、家族や友人との関係が希薄になり、自分自身の時間を確保することも難しくなりました。
なんのために仕事してるんだっけ……
これでは、ストレスや疲労がたまり、体調を崩してしまったり、心身の健康に悪影響を及ぼす結果となります。
仕事の内容だけではなく、会社独自の文化や働き方をしっかりと確認し、転職後の具体的な生活をイメージしておきましょう。
会社のホームページや、求人募集サイトには残業時間や休みの取り方などが詳しく載っています。
企業によっては、働く職員の口コミなども掲載されていますので、必ずチェックしておきましょう。
転職するまでの基本的なプロセス
転職を決意した際、転職するまでの基本的なプロセスがわからないといった方は多いです。
特に退職を伝えるタイミングや、誰に相談したらいいかなどがわからないといったケースもあります。
転職するまでの基本的なプロセスについてご紹介します。
退職の意思を伝える
上司に、現在の仕事を辞めて転職を考えていることを伝えましょう。
上司に伝える際のポイントとしては以下の4点に注意しましょう。
- 退職に関して、就業規則を確認する。
- まずは身近な先輩等に相談する。
- 期間が決まっている場合は期間も合わせて伝える。
- 退職を考えている時点で相談するのがベスト。
順番に解説していきます。
退職に関して、就業規則を確認する。
前もって就業規則を確認!
退職の旨を申し出る場合には、会社で3ヶ月前の報告などの規定があります。
また退職の手続きに関して記載されている事項を事前に確認しておくことが重要です。
まずは身近な先輩等に相談する。
いきなり上司に相談するのが気が引ける……。
という場合は、身近な先輩や同僚に相談してみるのも良いかもしれません。
この時の注意点としては、退職が決まっている前提で話をすることは避けることです。
なぜなら、退職がまだ確定していない場合、相談相手が誤解する可能性があるからです。
もし退職が確定しておらず、相談相手にその前提で話をすると、相手はあなたが退職を決意したと誤解するかもしれません。
これは関係を損なう可能性があります。
退職の意思がまだ確定していない場合は、相談相手に現状の悩みや状況を話し、アドバイスや意見を求めることが適切です。
退職が確定してから相談相手に話をすることで、より具体的なアドバイスや支援を受けることができます。
期間が決まっている場合は期間も合わせて伝える。
具体的に時間が決まっているのであれば、期間も合わせて伝えましょう。
見通しが立ってないのであれば今の状況で良いので、前もって伝えておき、期間が具体的になったら改めて伝えてください。
管理者側にとって退職の時期を把握ることはとても重要です。
あと1か月で辞めさせてもらいたいんだけど!
間違っても、このような自分の都合ばかりを優先するような態度は控えましょう。
退職の時期を把握することは以下のような目的でとても重要です。
- スムーズな業務引継ぎ: 退職期間を伝えることで、上司やチームメンバーが業務を引き継ぐための準備を進めることができます。業務の引き継ぎは、円滑な業務運営やチームの継続性を確保するために重要です。期間を伝えることで、引継ぎに必要なスケジュールやタスクの調整が円滑に進められます。
- チームメンバーの負担軽減: 退職することが決まった場合、チームメンバーは業務の一部や責任を引き継ぐ必要があります。期間を伝えることで、チームメンバーが退職後の業務を適切に準備できるだけでなく、自身の業務負荷を調整することも可能です。これにより、チームの負担が均等に分散され、業務の継続性が確保されます。
- 予定の調整: 退職期間を伝えることで、上司や組織が後任の採用や配置転換などの人事手続きを進めることができます。退職後の人員配置や業務計画に関する調整は、期間を知ることでより具体的な予定を立てることができます。これにより、組織の運営においてスムーズな移行が可能となります。
退職を考えている時点で相談するのがベスト。
退職や転職が決まってから伝えるケースもありますが、退職を考えている時点で相談するのがベストです。
理由は、以下の通りです。
- サポートを受ける機会: 退職を考えている場合、まずは上司や人事部などの関係者に相談することで、サポートを受ける機会を得ることができます。彼らは組織の一員として、あなたのキャリアや離職の意図についての相談に乗ることが求められています。相談を通じて、適切なアドバイスや支援を受けることができます。
- 解決策の模索: 退職を考える理由や懸念事項を相談することで、解決策を見つけるための議論や提案を受けることができます。上司や人事部は、組織の利益や従業員の満足度を最大化するために、問題解決に取り組む責任があります。彼らは経験豊富であり、あなたの問題を理解し、最適な解決策を見つけるための支援を提供してくれるでしょう。
- 組織のフィードバックを受ける: 退職を考える場合、組織からのフィードバックを受けることも重要です。上司や人事部との相談を通じて、あなたの業績や貢献度、成長の機会についての評価を受けることができます。このフィードバックは、将来のキャリアプランや次のステップを考える上で貴重な情報となるでしょう。
退職を考えている時点で相談することは、自身のキャリアや組織との関係を良好な状態で維持するために重要です。また、相談を通じて解決策を見つけたり、組織のフィードバックを受けたりすることで、より良いキャリアの方向性を見出すことができます。
業務の引き継ぎ
退職が決まった場合は、業務の引き継ぎを開始することが大切です。
自分の仕事を新しい人に頼むために、必要な情報や手順を整理しておきましょう。
特に自分にしかできない業務を行っている場合は、なるべくわかりやすく、後任者に引き継げるように資料の作成などが重要です。
丁寧に引き継ぎをしましょう。
自分が抜けた後も会社が困らないように工夫することで、会社としても最後まで責任を果たす努力をしてくれたという印象になり、トラブルなどを避けて、円満退職をすることができます。
この準備ができていない場合……
これじゃあ、辞めてもらうわけにはいかないよっ!!
と、最悪のケースでは退職時期を延長することにもつながりかねません。
こういったトラブルやイレギュラーに繋がらないようにするためにも、引き継ぎの準備は早めに始めていきましょう。
新しい職場の仕事に備える
新しい仕事で、必要なスキルや知識を確認して、仕事がスムーズにはじめられるように準備をしていきましょう。
現職と同時に進めていくことは労力が必要となりますが、この準備があるかないかで、新しい職場でのスタートが変わります。
具体的な備え方としては以下のような方法があります。
オンラインコースや研修プログラムに参加
パソコンやネット環境、受講に料金も必要ですが、どこからでも受講ができ、様々なプログラムの中から自分に合った内容の研修に参加できるのが魅力です。
個人で申し込み可能なタイプ、企業単位で申し込みが必要な場合もあります。
個人で申し込み可能なタイプとしては……
などがあります。
定額制のものもありますが、まずは関係ありそうなものを1回受講してみるのが良いでしょう。
関連する書籍や資料を読む
書籍や資料を見ておくことは、新しい職場でのスムーズなスタートにおいて非常に重要です。
書籍や資料を通じて、以下のような重要な情報を得ることができます。
- 業界や職種の基礎知識:新しい職場で働くためには、業界や職種に関する基礎知識が必要です。関連する書籍や資料を読むことで、業界のトレンドや動向、職種の役割や業務内容について理解を深めることができます。
- 企業の情報:新しい職場に入る前に、企業に関する情報を把握することは重要です。企業のホームページや報道記事、業界レポートなどを参考にして、企業のビジョン、文化、製品やサービスについて理解を深めましょう。
- 専門知識やスキルの習得:新しい職場で必要な専門知識やスキルがある場合、関連する書籍や資料を活用して学習を進めることが重要です。自己学習を通じて、新しい職場での業務に必要なスキルを身につけることができます。
- ベストプラクティスや成功事例:関連する書籍や資料には、業界や職種でのベストプラクティスや成功事例が記載されていることがあります。これらの情報を参考にすることで、自身の業務において成功するためのヒントやアイデアを得ることができます。
書籍や資料を見ておくことで、新しい職場での自信と知識を高めることができます。
また、周囲とのコミュニケーションや業務の遂行においても役立つ情報を得ることができます。
働いている人たちに話を聞きに行く
働いている人たちに話を聞くことは、転職や新しい職場での成功にとって非常に重要です。
人脈やコネクションを利用し、働いている人から話を聞ける場合は積極的に行動しましょう。
実際に働いている人から話を聞くことには、以下のようなメリットがあります。
- 現実の情報を得る: 働いている人たちに話を聞くことで、現場の実際の状況や経験を知ることができます。仕事の内容や文化、人間関係など、公式の情報だけではわからない詳細な情報を得ることができます。これにより、自身の期待や適合性をより具体的に評価することができます。
- ネットワークを構築する: 働いている人たちに話を聞くことは、新しい職場でのネットワーク構築にも役立ちます。他の人とのつながりを築くことで、情報やサポートを得ることができます。また、新しい職場での順応や成長につながるメンターやアドバイザーを見つけることもできます。
- ポジティブな影響を受ける: 働いている人たちとの会話は、自身の考え方や態度に影響を与えることがあります。彼らの経験や視点を聞くことで、新しい職場での成功のためのヒントやアイデアを得ることができます。また、彼らのポジティブなエネルギーやモチベーションに触れることで、自身も活気づけられる可能性があります。
- 転職やキャリアの戦略を練る: 働いている人たちに話を聞くことで、転職やキャリアの戦略を練る上での情報やアドバイスを得ることができます。彼らの経験や知識を通じて、自身の目標に向かって計画を立てることができます。また、他の人のキャリアパスや成功のストーリーを聞くことで、自身のキャリアにおける可能性や選択肢を広げることもできます。
働いている人たちに話を聞くことは、転職や新しい職場での成功において非常に貴重な情報を得る機会です。
彼らの経験や知識を活用して、自身のキャリアをより良い方向に進めることができるでしょう。
この準備を行うことにより、イメージと実務のギャップを防ぐことに繋がり、新しい職場でのストレスを緩和することができます。
社会保険や年金の手続きについて調べておく
転職に伴う手続きを忘れずに行い、新しい雇用先に必要な書類を準備しておきましょう。
転職に伴う手続きや、必要書類がわからない場合はハローワークに相談するか、転職先の人事部に確認すると、わかりやすく教えてくれます。
転職サイトなどにも情報として記載されている場合や、転職エージェントに確認することで詳しく教えてくれます。
転職後に良いスタートをきるために
30代の転職は即戦力としての期待があり、より良いスタートが重要です。
このスタートを切れるかどうかにより、あなた自身の働きやすさやチームに馴染めるまでの期間が大幅に短縮されたりなど、ストレスを大きく緩和することにつながります。
転職後に良いスタートを切るためのポイントを見ていきましょう。
新しい職場に馴染む
新しい職場の雰囲気は、仕事の進め方を理解し、早めに馴染むように心がけましょう。
はじめのうちは、マニュアルによく目を通し、職場の人に自分から質問をするなど積極的な姿勢を心がけることが大切です。
積極的に質問をすることで、必然的にコミュニケーションが多くなり、チームにも溶け込みやすくなります。
人の顔と名前も憶えやすくなります!
はじめのうちは、挨拶について普段以上に行うように意識しましょう。
人見知り、コミュニケーションに自信のない人ほど挨拶は重要です。
基本的な礼儀マナーが、さすがは経験のある方だとあなたを一目置く存在にしてくれます。
1日でも早く業務になれる
30代の転職に期待するのは即戦力です。そのため、1日でも早く業務になれることが大切です。
30代は、20代の中途採用とは異なり、ある程度の社会経験を持って様々な状況を経験してきたと言う期待値があります。
この期待を裏切らないためにも、1日でも早く業務になれる工夫をすることが大切です。
具体的な工夫としては……
報告!
連絡!
相談!
報告、連絡、相談の基本的な働く姿勢を保つことです。
報告連絡相談は基本的なことであるとは言われますが、この基本を忠実に行うことで、業務のサポートを受けやすくなり、業務の習得期間を大幅に短縮することができます。
ノートにメモを取り、1日1日の業務で学んだことを蓄積させていくこともおすすめです。
メモをとる姿勢は積極的な印象を与えやすいです。
新しい環境では日々多くのことを学ぶため、完全に記憶することは困難です。
同じ問題を繰り返さないためにも、習得に必要な手段を考えることが大切です。
人間関係の構築を意識する
新しい同僚や上司と仲良くなるために、積極的に話しかけたり協力したりしましょう。
団体競技のイメージです。
どんなに必要なスキルを持っていたとしても、チームで働くことができなければ、即戦力にはなりません。
30代の転職はある程度の社会経験があるという前提なので、自分から聞いてくるだろうというイメージを持っています。
専門職の場合だと、経歴や資格などにより、転職してきた人に対して周りが積極的に話しかけ辛いと言う状況もあり得ます。
30代の転職は様々な点で、ある意味、特殊な視点で見られます。
人間関係を構築するためにも自分から積極的に話をすることを意識しましょう。
成長と改善をセットで考える
新しい職場では、今まで培ってきた経験が生かされることもあれば通用しないこともあります。
今まで培ってきた知識や経験に固執してしまうと、周りから煙たがられて新しい職場に馴染むことができないだけでなく、せっかくのスキルを活かせない状況になりかねません。
なんか……関わりたくないな……
こんな風に思われないように注意が必要です。
新しい経験を通じて、自分のキャリアを見つめ直し、成長や改善を前提に取り組みましょう。
まとめ
30代スキルなしでの転職は可能です。
しかし、転職の前には、どのような仕事を自分がしていくのかを明確にイメージする必要があり、イメージがないまま転職するのは絶対に避けましょう。
転職は新たな挑戦をする素晴らしい決断であり、新しい人生への第一歩です。
しかしそこは未知の世界であることに変わりはありません。
今まで自分が培ってきた強みや経験、知識やスキルを最大限に生かすためにも、事前の準備は絶対に必要です。
転職をする前に…
自分が今までどのようなスキルを磨いてきたのか
転職先で活かせる経験は何か
これからどのようなキャリアプランを描いているのか
生活に応じた収入はいくらなのか
労働環境は自分に合っているのか
これらをしっかりとイメージした上で転職することが重要です。
転職と言う人生において、大事なイベントだからこそ、しっかりと事前に準備することが大切です。
どうしても自分では決め切れない場合、不安が払拭できない場合などは、転職エージェントに相談するなどもお勧めです。
あなたの希望を聞いて、一つ一つ丁寧にあなたの不安を取り除いてくれます。気になった方は、気軽に相談してみましょう。